売り込み

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イラストレーターになるために必要なデッサン力やパース関連の話から、CG講座などを考えています。イラストレーションを描くために必要な道具類の紹介と解説、またフォトショップやイラストレーターなどのソフトのお話、そして美大・芸大・専門学校等の学校選びまで、イラストレーションに関する様々な情報を、自分の勉強という意味も含めて配信していきます。
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メニュー:売り込み:目次
  • イラストレーターのホームページ戦略
  • ファッション関係のイラストとその売り込み
  • イラストレーションの季節毎の売り込み戦略
  • イラストレーターにとっての競争力「イラストvs写真」
  • イラストレーターのネットでの売り込み
  • イラストレーターの売り込み 後編
  • イラストレーターの売り込み(1)前編

イラストレーターのホームページ戦略

私はWEBで作品を公開することを、あまり積極的には行っていません。それにはいくつか理由があります。まず、アナログ作品や作り込んだ作品ほど、WEBサイトに載せた時には、実際の作品よりクオリティが落ちて見えると思ったほうが良いです。AdobeIllustratorで描いたようなカチッとしたシンプルな線で原色を使った絵だと全然問題は無いと思いますが、作りこんでいて、微妙なグラデーションがある絵だと、持ち味が分かりにくいと思います。そういった点も含めて、営業と思って載せるのもありだと思いますが、私はそこまでして仕事がほしいと思いませんし、出来れば実物を見てほしいというのもあって、積極的には載せていません。仕事用にはいくつか作品はアップしているサイトは持っていますが、特に作りこんだ大作的なものは、ファイリングして直接見てもらうようにします。

また、オリジナルキャラクターなどを作っている場合、あまりむやみに作品を公開しない方がいいかもしれませんね。特に自信があるものであれば、暖めておく方が良いかも知れません。盗作されたとしても、それを立証することは非常に困難です。また、そのキャラクターを使いたいという企業の方がいたとしても、ウェブで長い間公開されていたら、新しいイメージとしての効果が無くなるということで、不採用になるケースもあります。

ただ、逆の場合もあって、WEBで公開してたからこそ、企業の目にとまって、WEBで公開されてたとしてもそれが企業のイメージキャラクターとして採用されるケースもあります。

以上のように、WEBサイトでイラストを公開するのは、メリット・デメリットがあります。それらを踏まえたうえで、自分がなにを重視しているかをはっきり考えて、作品を公開するようにしましょう。

ファッション関係のイラストとその売り込み

ファッション関係のイラストは、結構特殊ですね。9頭身から12頭身くらいのちょっとあり得ない体型で描くファッションデザイナーのカンプイラストがありますが、ファッション雑誌のイラストも、等身は高めに描くのが主流です。品があって洗練された印象のイラストを描ける人は挑戦してみると良いでしょう。マンガチックなイラストが得意な人は結構苦労するかもしれません。実は私、これかなり苦労しました。何度も何度もリテイクをくらい、やっとファッション系の雑誌でも通用する絵柄を編み出しましたね。今となってはむしろ割と得意分野になっていて、ご指名で依頼をくることも多くなりました。自分の苦手な分野も描いてみると非常に勉強になります。品の良いイラストが描けるようになると、漫画タッチのイラストや子供向けの可愛いタッチの中にも品の良いアクセントを付けられるようになり表現の幅が広がります。

あと、ファッション関係のイラストレーションを売り込みたい方は、流行色を先取りすると良いでしょう。流行色を先取りする方法というのは実は様々あるのですが、一番手っ取り早いのは、口紅の会社から、来年度に用意している情報を仕入れると言う方法があります。口紅の色が決まると、他の色は自然に決まりますので、それにあった色使いになることが目に見えているからですね。

上記のような形でファッションイラストを制覇しましょう。ファッションイラスト関係の力をつけるためには、クロッキーも良いですね。路上や公園や電車の中等で、通行人のクロッキーをしましょう。速描画は、画力をつけるだけでなく、その勢いある線のストローク自体がファッションイラスト向きといえましょう。セツモードセミナーの創始者である故・長沢節さんのクロッキーテイストなファッションイラストはかなり参考になると思います。

イラストレーションの季節毎の売り込み戦略

実際にイラストレーションに関して、売り込みをする時には、季節ごとに戦略を立てるのも良いでしょう。今回お話しするのは、ほんの一例ではありますが。

まず最初にターゲットを絞るわけですが、例えば子供向けの雑誌やらファッション関係の雑誌やらと。

そして売り込みをするのに良い季節として10月があげられます。ですから、そのための準備を今しておくと言うのはどうでしょうか。10月となると、出版関係は1年で最も忙しい時期にぶつかる手前となっています。年末号及び新年号の企画は、11月には決めないといけないからですね。12月の20日以降となると、多くの印刷会社は新年7日くらいまで休みを取るところが多くなるので、この時期には2号まとめて作ることになるようです。そこを見越すのですね。11月に入ってしまうと、各出版社は忙しさのあまり、きちんと相手にしてくれることは少なくなってしまうでしょうから、10月のうちに、冬の季節の作品を売り込むということになります。その場で気に入られたら、即仕事ということになる可能性も十分ありますから。

プロの仕事において、季節感はワンシーズン先取りしておかないと話になりません。夏には秋、秋には冬、冬には春・・といった具合に数ヶ月先のイラストを描いている場合が大半です。

そこで、冬の売り込みに使えそうな、ぼんやりした雰囲気の絵を描く方法です。水彩絵の具のまだ乾いてない状態の画面に岩塩を細かく粉にしてまいてみましょう。塩が水と色を吸い込んでいくので、ぼんやりとした感じの雪が降っている状態になります。とても簡単ですので、お試しあれ。水彩絵の具でなくても、アクリル絵の具等、水で溶いて使う絵の具ならば全般的に使える方法です。

あとは、アイディアしだいで色々と展開が可能です。企画力しだいではすぐに商品になる可能性の高いものも作れると思いますよ。最初は小さなカットイラストの仕事であったとしても、一度仕事を請けるという関係を結ぶことが出来れば、後に繋がっていく可能性は高いです。リピートという形もあれば、紹介という形で別のクライアントとも繋がる可能性もあります。ですから、毎回最高の作品を目指して頑張りましょう。

イラストレーターにとっての競争力「イラストvs写真」

イラストレーターも、プレゼンにおいて勝つことは必要になってきます。特に東京からの依頼というのは、コンペのプレゼンに出すことを前提とするものが多い印象があります。コンペで負けても料金は支払われますが、当然少なくなりますね。ですから、「勝つ」イラストというのは意識した方が良いでしょう。

ただ、私の知人に、プレゼンで、イラストが写真に負けることがよくあると悩んでいる人がいましたが、この場合、写真に負けることに関してはあまり悩む必要がないと個人的には思ってます。写真にするかイラストにするかということに関しては、実力やクオリティ以上に、レイアウトなんかの編集上の問題や、日程や納期に関する問題、料金的な問題等、様々な問題が絡んでくるので、そのあたりの面でも、写真の方が相応しい場合というのは、イラストの入り込む余地は無いので、放っておくのが一番です。

また、写真とイラストは、かなり印象が異なってきます。写真の場合、リアリティや、美しさ、高級感等が必要な場面では、大抵の場合、イラストより相応しいと考えて良いでしょう。

でも、可愛らしさや優しさ、親しみやすさ、面白さ等、イラストのほうが相応しいケースも沢山あります。また、写真では実現できないような幅広い表現が可能なのも、イラストの強みと言えます。逆に、写真より納期も予算もかかることが多いというのも特徴となります。

プレゼンでイラスト中心の案が写真中心の案に負けることというのは、勿論実力によるところもあるでしょうが、殆どの場合は上記のような理由ですので、写真に勝つことを考えるよりも、イラストのほうが相応しい場面で、その時に必要なイラストを適切に提案できる能力を磨く方が現実的と言えますね。

イラストレーターのネットでの売り込み

イラストレーターは、少し前までは足を使っての営業活動は必須と言える状態でした。ですが、最近では、そうでもない状態です。私は、実は今はもう足を使った営業活動は、一年以上行ってません。ネットでホームページ(ウェブサイト)を開設し、そこからの集客のみで営業は十分事足りています。

そして、このウェブサイト経由での依頼は、近所のデザイン会社からの依頼ではなく、半分以上が東京からの依頼です。私は地方在住のイラストレーターですが、東京に一切売り込みにいかず、東京の仕事が取れている状態です。しかも一度作ったらあまり更新せずにほったらかしでも仕事が来ます。営業が苦手なイラストレーターにとって、ネットというのはホントに便利なものですね。

但し、注意点もあります。ネットでの依頼は、当然のことながら、地の利を生かせません。ネットで人材を探す以上、クオリティ第一での探してくるクライアントが殆どです。なので、近所だからとか、便利だからとかで売っているイラストレーターは、ネットでは生きていけません。人間関係の円滑さは、当然ネットでも要求されます。しかし、リアル(ネットとリアルというわけ方は、あまり好きではない・・というか不適切だとは思いますが便宜上使わせていただきます)ほどには、人間関係を重視したり、付き合いが必要では無いように思います。ですから、クオリティよりも人間関係を上手に築いて世渡り上手な感じで仕事を取ってきた人は、ネットでは、リアルほどは通用しにくいかもしれませんね。ですが、それでも、ネットでもそのようなことは武器にはなります。しかし、ネットの場合はやはりクオリティが重視されると思います。何でも屋よりもスペシャリストの方が良いでしょう。ネットでは多くの選択肢が最初からあるわけですから、何でも描ける人になんでも描いて貰うよりも、あるジャンルではこの人、別のジャンルではこの人・・といった具合に住み分けが強化される傾向にあると思います。

ですから、今までのイラストレーターに要求されてきたものとは、少し違った要素が求められるかもしれませんね。ちなみに、私はネット経由で仕事をもらっているクライアントには、2年以上仕事をもらっていて一度も会っていないってなことはザラです。人間関係が煩わしく感じる人にはうってつけですが、その分シビアに実力で勝負の世界になりますね。

外国語が堪能な人は、海外の仕事をネット経由で募集するのも良いかもしれません。逆に海外在住で日本の仕事を取ることも可能ですね。

イラストレーターの売り込み 後編

前回の売り込みのお話の続きです。

この売り込み先の会社は、昨日述べたように、1000人のイラストレーターが登録されています。ですから、それぞれのイラストレーターが、それぞれの得意分野を極めていける状況が自然に出来ているようです。ですから、絵柄の豊富さを競うのではなく、自分の得意分野のクオリティ競争の専念できるという点で、非常にイラストレーターとして健全で成熟した環境を作れているなぁと関心しました。

今まで、特に地方だと色んなタッチや絵柄を何種類も描ける人が重宝される傾向にありました。その要因は様々にあると思いますが、一つは、クライアントとイラストレーターの間にネットワークが確立されていないので、クライアントが多くのイラストレーターと出会うことが出来ず、結果的に出会った数少ないイラストレーターが一人で、色んな絵柄を描いて対応せねばならなくなっているというのが、理由の一つになっていると思います。
ですが、インターネットが一般化し、イラストレーターとクライアントの間にもちゃんとネットワークが確立されており、多くのイラストレーターの中から適切な人をクライアント側が選択できる状況になりつつあります。

その状況がもう少しちゃんと一般化すれば、イラストレーター側は、それぞれが得意な分野を磨いていけるし、それぞれの世界でよりクオリティの高いものが生まれると思います。
さらに、クライアントの側からも多くの選択肢が存在することになるので、好ましい状況なのだと考えます。

欧米では、既にもうかなり前からちゃんとこういった成熟した業界になっています。日本もそうなってくれることを願います。


イラストレーターの売り込み(1)前編

先日、とあるイラストレーターのマネージメントをしている会社にポートフォリオを持参し、売り込みに行ってきました。ここは、この業界ではちょっと知られているらしいところなので気合を入れていきました。

1000人以上のイラストレーターが登録されているとのことでした。ということは、タッチの豊富さを売りにしても無意味だろうと悟りました。

なので、得意分野の絵だけを持っていこうかと思ったのですが、やはり私はまだまだキャリアが浅いので、今まで描いた色々なタッチのものも含めてファイリングしていきました。

私は、今は色々なテイストのイラストを描いています。結構苦手な絵にも挑戦していて、気づいたら、割とタッチは増えてきています。いずれは自分なりの確立された絵柄を売りにした絵描きになるつもりではあるのですが、今は勉強のために、色々な絵柄やモチーフにも挑戦しています。

実際に、凄く勉強になっていますし、引き出しも増えました。そしてそれ以上に、普段書いてない絵柄で描くのは、実は割と新鮮で楽しかったりもするのです。

こんな感じで、色々な絵柄を描いていくのは、食べていくために必要と言うだけではなく、勉強のため、或いは単純に楽しいから・・・というのもあるのです。

ということで、上記のように様々な絵柄を持っていって見てもらったのですが、やはり思ったとおりの反応でした。絵柄が沢山ある必要はないけど、勉強のために色々挑戦するのは良いことだと言ってもらえました。そして、面白い世界観を持っているね〜という割と好感触な反応も頂けました。お世辞も混じっているでしょうが、素直に喜んでおくことにします。

あと、絵柄(タッチ)の何でも屋である必要はないが、モチーフ(題材)の何でも屋の方が、ここでは求められるそうです。これは以前、デッサンのエントリーで私も述べたところですが、男性も女性も子どもも大人もお年よりも、風景も建物も乗り物も、動物も魚も、全て高いクオリティで描けるようなタイプのイラストレーター。というか、これって当たり前過ぎるのかもしれません。ですが、殆どのイラストレーターはこれが出来ません。これが出来た上での個性なりタッチなりなのかもしれませんね。そして、これは私も目指しているところですが、まだまだだという自覚はあります。

とにかく私が嫌なのは、女性だけとか車だけ猫のキャラクターだけとかしか描けない(描かない)タイプのイラストレーター。あれにはなりたくないんです。【一点豪華主義】というポジティブな見方も出来ますし、実際そういうタイプのイラストレーターで、ちょっと良いなと思うことは結構あるんです。

でも、すぐに飽きます。何故なら、どの絵を見ても殆ど同じに見えてしまうのですね。同じ人が同じモチーフを何枚かいてもやっぱり同じ・・・ってことが多いんです。だから、この手の絵描きで、1年以上好きだったためしがありません。

逆に、鳥山明さんだとかノーマンロックウェルは、とにかくなんでも描けますし、描きます。でも、「何でも屋」といった印象は全くありませんね。確立した絵柄・世界観を持っています。そういったタイプの人の絵は全然飽きませんし、何でもかけるので、色々な展開が可能になり、単純に絵柄やモチーフというレベルじゃなく、飽きさせないストーリーのある絵を描かれます。

話が逸れました・・・そして長くなったので次回へ続きます。